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2006/07/24

Firefoxのシェア(日本のブラウザ市場特殊事情)



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時々、IT系のニュースでブラウザのシェア(アクセスログ統計)についての発表がある場合がありますが、その時いつも思うのは、Firefoxのシェアが異常に多いことです。

私が管理しているサイトでは、IT系コンテンツのサイトで約10%程度になることはありますが、その他の物販系サイトなどでは5%にも届かない状況です。ところが、IT系ニュースで流れるものの中には「20%を超えた」(5人に1人以上)など信じられない数字ばかりが目につきます。

なぜ、こういう数字が踊るのか、背景を探ってみ、Firefoxのシェアの実態について考えてみたいと思います。

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▼ Firefoxの異常人気を伝えるニュース
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●『Firefox』、欧州ではシェア20%突破
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20060119105.html
2006年1月18日のHOTWIRED Japanの記事。2006年1月8日の調査。あくまでも欧州の話。

●Firefox、シェア10%に迫る勢い
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0601/07/news009.html
2006年1月7日のITmediaの記事。NetApplicationsの統計によると、Firefoxのシェアは2005年末の時点で9.57%。一次ソースのNetApplications社とは米国カリフォルニアの会社。

●ドイツでは20%以上、日本では3%未満に~Firefoxシェアに明暗
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/13/7593.html
2005年5月13日のInternet Watchの記事。米WebSideStory社の2005年4月29日時点における調査によると、ドイツではFirefoxが22.58%のシェアを確保しているのに対して、日本でのFirefoxシェアは2.79%と低迷(米国は6.75%)。

●Firefoxは期待はずれ、Netscapeはさらにシェアを落す? - 7月のブラウザシェア
http://journal.mycom.co.jp/news/2005/07/15/008.html
2005年7月15日のMYCOMジャーナルの記事。見出しだけ読んでも米国での話であることがわからないようになっていますが、米Janco AssociatesのIT Productivity Center社の調査結果。Firefoxのシェアは8.83% と報じています。

●「Firefoxの世界シェアは12.9%に,ドイツでは39%」,OneStat.comの調査
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060710/242911/
2006年7月10日のITproのニュース。OneStat.comはサイトの情報によればオランダの調査会社のようです。ヨーロッパを中心にブラウザのシェアを分析していますが、日本での統計は、少なくともこの日経ITproの記事の中には見当たりませんでした。

つまり、これらの数字は全て、米国や欧州の調査会社の数字であり、その多くが米国や欧州のユーザーを対象に分析されたものなのです。日本のそれとは全くといっていいほど関係がありません。

たとえが無茶苦茶かもしれませんが、シンドラー社のエレベータのシェアがいかに世界的に高くても日本ではそれほど高くないのと同じことです。また、日本で人気のSleipnirLunascapeも海外でのシェアはそれほど高くないことでしょう。プロバイダのAOLのシェアが米国と日本では全然違うため、AOLブラウザのシェアも、日本と米国では全然違います。国が違えば、ブラウザ・シェアは全然違います。

また、調査した会社のサイトの統計がどのようなユーザーを対象として実施したのかも不明です。一次ソースには書いてあるのかもしれませんが、私が運営しているサイトのアクセス統計によれば、IT系コンテンツのサイトの場合、Firefoxのシェアは10%近くになりますが、一般的なサイトでは5%を下回る結果になり、コンテンツの色彩によってかなり数字にバラツキがあるのがはっきりと分かります。

IT系初心者の中には、Firefoxの存在自体(そもそもIE以外のブラウザがあることさえ知らないユーザーも実際多いです)知らない人も多いはずであり、上級者ほど、Firefoxを使う人が多いでしょうから、このバラツキは十分に理解できます。


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▼ 実際のFirefoxのシェア(当サイト調べ。)
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直近の6日間から7日間のデータを集計

Firefoxのアクセス数
(Win/Mac/Linux)
Firefoxのシェア
サイトA
(IT系コンテンツ)
668/6,31010.59%
サイトB
(物販系)
1,703/33,7885.04%
サイトC
(IT系コンテンツ)
3,876/40,1429.66%
サイトD217/2,8507.61%
サイトE
(最も一般的な
 コンテンツ)
904/26,4193.42%
総計7,360/109,5096.73%


私が運営しているサイトでは、そのコンテンツの傾向故に、辛うじて6%台後半を記録しましたが、一般的な内容のサイトでは、恐らく5%台もしくは5%を割るものと思われます。

(また、サイトのコンテンツの傾向の違いがFirefoxのシェアの差異を生んでいる今一つの背景に、FirefoxがLinuxで圧倒的シェアを握っているという事実があります。WindowsのIEやMacのSafariのような圧倒的なライバルとなるブラウザがLinuxにはありません。それ故に、Linuxブラウザからのアクセスが多いサイトでは、それだけFirefoxのシェアを押し上げる結果になっています。IT系コンテンツのサイトでFirefoxのシェアが高い理由の一つはLinuxの存在があると思われます。

続いて、参考までに、SleipnirとLunascapeのシェアについても見てみましょう。



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▼ 【参考】Sleipnirのシェア(当サイト調べ。)
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直近の6日間から7日間のデータを集計

Sleipnirのアクセス数Sleipnirのシェア
サイトA
(IT系コンテンツ)
220/6,3373.47%
サイトB
(物販系)
862/33,9542.54%
サイトC
(IT系コンテンツ)
2,079/40,3365.15%
サイトD88/2,8583.08%
サイトE
(最も一般的な
 コンテンツ)
496/26,4191.87%
総計3,745/109,9043.41%


ほぼ、Firefoxの半分であり、Firefoxのシェアと合わせるとほぼ10%となるため、米国におけるFirefoxのシェアぐらいにはなるのかもしれません。また、Sleipnirのシェアも、サイトのコンテンツの内容によってアクセスするユーザー層が異なるため、サイトによって大きく変わることが分かります。

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▼ 【参考】Lunascapeのシェア(当サイト調べ。)
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直近の6日間から7日間のデータを集計

Lunascapeのアクセス数Lunascapeのシェア
サイトA
(IT系コンテンツ)
49/6,3480.77%
サイトB
(物販系)
調査不可
サイトC
(IT系コンテンツ)
426/40,3981.05%
サイトD28/2,8630.98%
サイトE
(最も一般的な
 コンテンツ)
142/26,4190.54%
総計645/76,0280.85%


 詳細は別の機会にしますが、サイトBのみアクセスログの集計方法が大きく異なるのですが、Lunascapeの仕様?により、ユーザーエージェントの取得がPHPで正しくできず、Lunascapeのアクセスと純粋IEとの区別が付きません。このサイトの統計では、Lunascapeでのアクセスも全てIEからのアクセスとして処理されてしまっています。(関連記事:「Lunascape とfavicon.ico」。Lunascapeはコンテンツの種類(拡張子。MIME)によって、サーバに送信するユーザーーエージェントがなぜか異なるようです。)

いずれにしても、LunascapeのシェアもSleipnirほどではないにしても、日本の特殊事情を形作るに十分な要素になっています。海外発のブラウザ・シェアのニュースはあまり参考にならないことは、読む側がしっかりと認識しておくべきでしょう。

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