少なくとも5種類のIE7が現在、存在します
Internet Explorer 7.0(以下、IE7)のシェアが複数のサイトで10%超えを確認しています。今後、Windows Update時にIE7が自動配布されるようになれば、さらにシェアは伸びていくでしょう。
ただ、ここで注意しないといけないのが、一口にIE7といっても、いろいろあることです。まず、OSの違い。Windows VistaとXP SP2(さらに、Windows Server 2003)があります。VistaのIE7には保護モードという独特のセキュリティ機能があり、XP SP2のIE7と明らかに区別して考えられるべきものです。そうでないと、技術者として適切なサポートなどをサイト訪問者に提供することは困難になります。
Vistaの保護モードでは、
●「この機能は、 スタンダード 権限を持つアプリケーションからのみ利用できます。」(IME関連のエラーメッセージとAjaxの危険性)
http://shimax.cocolog-nifty.com/search/2007/02/imeajax_3516.html
などは、VistaのIE7特有の問題があります。
また、見た目も大きく変わっていますから、例えば画面キャプチャーを使った利用説明書を付ける際にも、XPの場合とVistaの場合とを分けて作成しておいたほうが初心者には親切です。初心者は少しでも画面が違うと、それだけで不安になります。もちろん、ユーザーエージェントのチェック(「NT 5.1」ならXP(2007年4月12日14時45分ごろ追記:「もしくは『NT 5.2』」ならXP」。下記のコメントにもありますように、64bitのXPの存在を考慮するなら、『NT 5.2』もチェックしなければなりません。ご指摘ありがとうございます。追記終了)、「NT 6」が含まれていたらVista)で、XPかVistaかも判別して、自動的にページを分けてリダイレクトしてあげるようにしておけば、より親切です。
<<β版を使っている人も、意外といます>>
また、OSの違いだけではなくて、実はベータ版を使い続けているユーザーもわずかですが、いることを忘れてはなりません。最近あるサイトのアクセスログで調べてみたところ、下記のような結果になりました。
| IE7正式版 (XP SP2) | 2,127 (約71.6%) |
|
| IE7正式版(Vista) | 617 (約20.8%) |
|
| IE7β3(XP SP2) | 117 (約3.9%) |
|
| IE7β2(XP SP2) | 57 (約1.9%) |
|
| IE7 RC1(XP SP2) | 52 (約1.7%) |
|
| IE7(Vista RC1) | 2 |
Vista RC1のIE7については、考慮しないにしても、実に5種類のIE7が現在、ネット上では利用されていることが分かります。ベータ版の利用者はβ2・β3・RC1の合計で約7.6%(≒13人に1人)となっています。また、より完成度の高いRC1ではなくてβ3のユーザーの方がシェアが高いことも面白い結果です。
具体的にはどういう違いがあるかの一例をご紹介します。
1.IE7 β2には、getComponentVersion()が使えない問題がありました。そのため、IE7のβ2では、ビルド番号によって「β2である」ということを断言することはできません。(「getComponentVersion()メソッドがサポートされていない場合は、β2かそれ以前のpreview版である可能性が高い」とは言えるとは思いますが、β2とβ3の区別をするには、「navigator.appMinorVersion」を使うと良いです。)
2.IE7のβ2では、JavaScriptによるフルスクリーン表示が無茶苦茶になるというバグが存在します。
3.IE7のβ2より古いβ2 Preview版では、メタタグによるTransition効果(ex. <META http-equiv="page-enter" content="revealtrans(duration=3, transition=23)">)が動作しません。
2.IE7のβ2では、JavaScriptによるフルスクリーン表示が無茶苦茶になるというバグが存在します。
3.IE7のβ2より古いβ2 Preview版では、メタタグによるTransition効果(ex. <META http-equiv="page-enter" content="revealtrans(duration=3, transition=23)">)が動作しません。
以上はβ2とβ3の違いであり、β3とRC1の違いや、RC1と正式版の違いは正直よく知りません。しかしながら、下記のようなマイクロソフト社が出しているリリースノートが大いに参考になるはずです(「最初から、これを紹介しろよ」)。
● Internet Explorer 7 Release Candidate 1 リリース ノート
http://www.microsoft.com/japan/msdn/ie/releasenotes/default.aspx
● Microsoft Internet Explorer 7: Internet Explorer 7 Beta リリース ノート
http://www.microsoft.com/japan/windows/ie/ie7/releasenotes/beta.mspx
● icrosoft Internet Explorer 7: Beta 2 リリース ノート
http://www.microsoft.com/japan/windows/ie/ie7/releasenotes/beta2.mspx
ただ、これを読んでも、特定の不具合がどのバージョンで解消されたのかはなかなか分かりません。どう考えても重複しているように見えるところが数多くあります。最終的には、環境を準備して、実機で試すしかないみたいです。
<<パッチの適用状況によっては、挙動が異なるかもしれません。>>
最後に付け加えますと、同じIE7の正式版(XP SP2)であっても、あるいは同じVistaのIE7であっても、違いがある可能性があります。なぜなら、マイクロソフト社では、問題のある現象に対するパッチを提供することがあり、そのパッチの適用状態によっては、ユーザーが不具合を経験するかどうかが変わる場合があるからです。
例えば、
●IE7にオンライン・ストレージやWebメールで日本語ファイル名が化ける不具合
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061129/255256/
という不具合がIE7にはありましたが、
●Web ページ名前のファイルの変更からファイルをダウンロードするために、いつ Internet Explorer 7 を使用します。
http://support.microsoft.com/kb/933133/JA/
(例によって、機械翻訳が無茶苦茶で、中学生でも、それなりにできる子なら、このタイトルの英語訳もっとまともにできるはずです。何で「when」が疑問詞の「いつ」なわけ?何とかしてくれ。英語訳は、「When you try to use Internet Explorer 7 to download a file from a Web page, the file name changes」にありますので、英語訳を読まれることを強くお勧めいたします。)
にて公開されているパッチファイルにて、このファイル名が文字化けする問題は解消されている可能性があります(テストしたことはありません。上記の日経IT Proの記事で名指しされているオンライン・ストレージのFAQにはこの問題が掲載されていますが、上記パッチの適用を促すような記述は今も見られませんでしたので、効果がないのかもしれません。情報をお持ちの方、コメントください)。
これに限らず、パッチの適用状況で、WEBサイトの見え方・動作が異なってくる可能性は常にあります。その他、
●Internet Explorer 7 のフィッシング詐欺検出機能で Web ページ コンテンツが評価されると、コンピュータの応答が非常に遅くなることがある
http://support.microsoft.com/kb/928089/ja
ページが空白(真っ白)で表示されるケース(ソースは途中までは読み込まれている。もしくは全て読み込まれている。)については、
● A Web page is blank in Internet Explorer 7
A Web page is blank in Internet Explorer 7
などもユーザーからの問い合わせに応える際に知っておいたらいいページかもしれません。
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コメント
NT 5.2 というもの居ます。
Windows 2003 Server と Windows XP Pro. x64 Ed.
が該当します。
"Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.2; Win64; x64; .NET CLR 2.0.50727)"
なんていう UA を名乗ります。
投稿 ef | 2007/04/12 14:13
確かにそうです。64bitのXPの場合はそのようなユーザーエージェントになります。NT5.2なんて、最初、私はユーザーエージェントの偽装ではないかと思いましたが、違いました。
64bitのIE7と32bitのIE7で挙動が異なる場合があるかは分かりません。64bitのパソコンも手に入れて是非テストしてみたいと思っていますが、いかんせん軍資金がありません。
投稿 ブログ管理人 | 2007/04/12 14:43
NT 5.2 はともかく、Win64 は、いかにも偽装ポイですよね。
で、伝わりにくい書き方をしてしまいましたが、
Windows 2003 Server for x86
もあるので、NT 5.2 にも 32bit 版はあります。
#蛇足ですが、64-bit というと Itanium 版を指すようです。
NT 5.1 と NT 5.2 とでブラウザの挙動には違は、チョッと考えた範囲では思いつきません。
IE6 の頃は、スクリプトエンジンの違いがあったと記憶していますが、IE7 では、同じようです。
そろそろ、ローエンド以外は x64 になってきたので、検証環境が悩ましいですね。
投稿 ef | 2007/04/12 21:06
>Windows 2003 Server for x86
>もあるので、NT 5.2 にも 32bit 版はあります。
そうですね。
NT 5.2について、いつかまとめてみたいと思っていたので、情報が整理できたら記事にしたいと思います。efさん、コメントありがとうございました。
投稿 ブログ管理人 | 2007/04/12 22:04